フィリピン人との国際結婚ガイド
2024/08/04
2021年の厚生労働省のデータによりますと、日本人男性がパートナーにしている外国籍女性の出身国で第一位は中国、そして第二位がフィリピン人です(こちらがそのデータ)。一時期は中国に並ぶほど、婚姻件数も増えていました。
日本人男性+フィリピン人女性の組み合わせが多く、日本人女性+フィリピン人男性の組み合わせはそこまで多くありません。それでも、その他の国と比べてもそこまで少なくはないということもデータからわかります。フィリピンは日本人にとって比較的身近な国だということが感じられますね。
このガイドでは、フィリピンとの結婚を考える方々に向けて、具体的な手続きについて詳しく解説します。今回は、日本で結婚するパターンについて述べていこうと思います。
目次
1.日本でフィリピン人と結婚する
結婚をする前に、国際結婚では決めるべきことがあります。それは、「どの国で結婚するのか」ということです。基本的には、自分の国籍がある国でも、相手の国籍がある国でもどちらでも大丈夫なんですが、どちらの方が手続きをしやすいかというのは、変わってきます。
もし、日本の在留資格をもっているのであれば、日本で結婚を行う方が簡単です。そうでないなら、外国での結婚も視野に入れる必要があります。
しかし、今回はフィリピンの方と日本で結婚をしてビザまで申請をするというケースを考えたいと思います。理由は、その方がイメージしやすいからということで早速見ていきましょう。
フィリピンの方が書類を入手する
まず、国際結婚相手となるフィリピンの方がフィリピンで書類を取得することが必要になります。その書類を使って日本で手続きを行っていくものですから間違いのないようにしなくてはなりません。必ず、ご本人がご自身の国の役所へ責任を持って確認してください。
必要書類は
・出生証明書(フィリピン統計局で発行、フィリピン外務省で認証)
・独身証明書(フィリピン統計局で発行、フィリピン外務省で認証)
・パスポート
・追加書類
→20歳~25歳以下の場合は、両親の承諾書(フィリピンの公証役場で作り、フィリピン外務省で認証)
→18歳~20歳以下の場合は、両親の合意書(フィリピンの公証役場で作り、フィリピン外務省で認証)
→離婚歴がある場合は、注釈付き結婚証明書、外国離婚承認審判書、確定証明書
です。フィリピン人のパートナーにこれらをもって、日本へ来てもらい次の手続きを行います。
日本への渡航
さて、前項であげた書類をもって日本への渡航が必要です。すでに、在留資格を持っているのであれば問題なく渡航できます。
しかし、在留資格がなかったらどうすればよいのでしょうか?
それは、短期滞在のビザを取得することです。日本人のパートナーに準備をしてもらいましょう!
短期滞在は最大で90日日本に在留することが出来るビザです。このビザで出来ることは限られていますが、結婚とその準備を行うということであれば、問題なく取得できます。
日本で作成して、相手へ送る書類は次のものです。
・身元保証書
・招へい理由書
・滞在予定表
・その他の書類(納税通知書や所得証明書等)
これらを日本人パートナーは作成して、フィリピン人パートナーへ郵送又はメールで送ります(もちろん、手渡しでも大丈夫です)。
これらを受けとってフィリピン人パートナーはフィリピンにある日本大使館で短期滞在のビザを申請します。申請からおよそ一週間でビザが発行されます。90日分のビザとってそのまま在留資格「日本人の配偶者等」の申請までしてしまうことをお勧めします。
日本のフィリピン大使館での認証
さて、日本へフィリピン人パートナーがやってきたら、時間を有効に使ってすぐに在日本フィリピン大使館へ行きましょう。そこで、婚姻要件具備証明書を取得するのです。注意すべきポイントとしては、二人そろって、フィリピン大使館へ行かなくてはならないということです。
日本人の方が持っていくもの
・本人確認書類(免許証など)
・戸籍謄本の原本、コピー(発行から3か月以内のもの)
・改正戸籍原本+除籍謄本の原本、コピー(離婚歴がある方や前の配偶者と死別された方)
・パスポートの原本とコピー(顔写真欄)
フィリピン人パートナーの方が持っていくもの
・出生証明書の原本とコピー(フィリピン統計局で発行、フィリピン外務省で認証)
・独身証明書の原本とコピー(フィリピン統計局で発行、フィリピン外務省で認証)
・パスポートの原本とコピー(顔写真ページ、査証ページ)
・証明写真(幅35mm、高さ45mm)
・20歳~25歳以下の場合は、両親の承諾書の原本とコピー
・18歳~20歳以下の場合は、両親の合意書の原本とコピー
・離婚歴がある場合は、注釈付き結婚証明書、外国離婚承認審判書、確定証明書これらの原本とコピー
その他、現金も持っていきましょう。
日本の役所で結婚
さて、婚姻要件具備証明書を取得すればあとは、日本の役所へ婚姻届けを提出するだけです。地域の市役所の戸籍課へ次のものを提出しましょう。
・婚姻届け
・婚姻要件具備証明書
・出生証明書
・フィリピン人パートナーのパスポート
・日本人パートナーの本人確認書類
・出生証明書の日本語訳
・日本人パートナーの戸籍謄本
出生証明書の日本語訳は自分で翻訳したもので大丈夫です。最近はGoogle翻訳などもあるため簡単に翻訳できてしまいますので、心配はいりませんね。頼まれれば、行政書士奥本聡も翻訳いたします。有料になってしまいますが……。
さて、これでめでたく結婚できたとなりますが、これだけで終わりではありません。次のステップがあります。
フィリピン大使館への報告と在留資格「日本人の配偶者等」
日本で婚姻届けを提出してから、少したつと戸籍謄本に婚姻の事実が記入されます。その婚姻の事実を記入した戸籍謄本と、婚姻届けの記載事項証明書、フィリピン大使館へ提出する婚姻届出書、パスポートのコピー等をフィリピン大使館へ送り、結婚証明書を入手します。
送る書類
・婚姻の事実を記入した戸籍謄本(原本とコピーを4つ)
・婚姻届けの記載事項証明書(原本とコピーを4つ)
・フィリピン大使館へ提出する婚姻届出書
・夫婦両人のパスポートと、そのコピー(原本と顔写真ページのコピー4つ)
・夫婦両人の証明写真(幅35mm、高さ45mm 4つ)
・返送用レターパックプラス
これらを日本の役所が婚姻届けを受理した日から30日以内に送りましょう。フィリピン大使館が受理すると結婚証明書が送られてきます。
これで、結婚の手続きは一通りおしまいとなるのですが、大切なことはまだあります。
ここで入手した結婚証明書を使い、日本の在留資格である「日本人の配偶者等」を申請しましょう。フィリピン人パートナーとの結婚は、審査が厳しくなる傾向があります。偽装結婚のようなものが流行った時期があるそうです。ですが、きちんと交際している経緯がわかれば、入管も在留資格を出してくれます。
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