本邦大学を卒業して起業する外国人の在留特定活動申請に必要な書類と審査について
2024/02/18
日本の大学を卒業して起業を目指す外国の方は、在留資格「経営管理」を取得したいと考える方が多いと思います。しかし、「経営管理」を取得する前段階として、在留資格「特定活動」を申請することをお勧めいたします。本邦大学を卒業した場合、外国人留学生には一定の優遇措置が与えられますが、在留特定活動ビザに関する要件を満たさなければなりません。そこで、本記事では、在留特定活動申請に必要な書類と審査について解説します。
目次
在留資格「特定活動」とは
在留資格「特定活動」には、様々なものが用意されています。アマチュアスポーツ選手とその家族であったり、医療滞在とその同伴者に対する許可、インターンシップや国際文化交流、大学等の在学中又は卒業後に内定が決まった場合、日系4世など個人に合わせた特別な在留資格が「特定活動」と呼ばれます。これは、他の在留資格との間のつなぎの役割を果たすこともあるとても便利なものですが、「特定活動」で長期間滞在できるとは限りません。あくまでも、つなぎ的な要素が強い在留資格が「特定活動」なのです。
「特定活動」本邦の大学等を卒業して起業活動を行う方の必要書類
本邦の大学等を卒業して起業活動を行うことを希望する方に必要とされる書類や要件は、在留資格「経営・管理」と似ています。
・大学等の卒業証書
・直前まで所属していた大学による推薦書
・事業計画書
・本邦において開始しようとする事業内容を明らかにする資料(登記簿謄本など)
・在留中の一切の経費を支弁する能力を証明する書類
・企業に必要な資金が調達されていることがわかる資料
・事務所の所在地を明らかにする資料
・大学による企業支援の内容を明らかにする資料
・帰国のための手段が確保されていることを明らかにするための資料
となります。大学卒業後六か月以内に会社法人を立ち上げて企業を行いたいと考えている留学生が対象です。在留資格「経営・管理」では実務経験が問われましたが、この資格は実務経験が不要となっているところが異なります。留学生であったということがプラスに働くと考えてよいでしょう。
許可要件
要件には、人的要件、資本的要件、場所的要件、起業支援要件、在留管理要件があります。
まず、人的要件ですがつぎのようになります。
1.在留資格「留学」をもって在留する本邦の学校教育法上の大学(ただし短期大学を除く。)の学部又は大学院を卒業(又は修了)した者であること。
2.在学中の成績及び素行に問題がなく、在学中から起業活動を開始しており、大学が推薦する者であること。
3.事業計画書が作成されており、当該計画書及び会社又は法人の登記事項証明書その他の書面により本邦において開始しようとする事業内容が明らかであって、卒業後6月以内に、会社法人を設立し起業して在留資格「経営・管理」に在留資格変更許可申請を行うこと及びその申請内容が出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の投資・経営の項の下欄に掲げる活動に該当し、かつ、同法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成2年5月24日法務省令第16号、以下「基準省令」といいます。)に定める基準にも適合することが見込まれること。
4.滞在中の一切の経費(起業に必要な資金については、別途要件を定めます。)を支弁する能力を有していること(当該起業活動外国人以外の者が当該外国人の滞在中の経費を支弁する場合を含む。)。
続いて、資本的要件(事業規模に係る要件)です。
起業に必要な資金として、500万円以上の資金を調達していること、2人以上の常勤職員を雇用することが確実であること又はこれらに準ずる規模であることが認められること(※)。
※ 500万以上の資金を調達していることは、現に500万円以上の資金を有していることのほか、国、地方公共団体、金融公庫又は
銀行等から、助成、補助又は融資等を受けることが決定している場合を含みます。また、個人事業として経営を行おうとする場合は、
これまでの起業活動の過程で既に投資した資金についても、客観的に投資金額が立証できる場合には、調達した資金として含みます。
※ 2人以上の常勤職員を雇用することが確実であることとは、雇用契約を締結している場合等のことです。
ここは、「経営・管理」と同じですね。
その次は場所的要件です。
起業に必要な事業所(店舗、事務所等)用の施設が確保されることが確実であること(※)。
※ 既に物件を取得している場合や賃貸契約を締結している場合のほか、地方公共団体等から物件の提供を受けることが決定している場合や、現に物件の取得手続きを進めている(手付け金を支払っている等)場合を含みます。
場所がないのに、始めることは出来ないということです。家とは別に事務所を用意しましょう。
企業支援要件
大学により、起業活動外国人に対し以下の支援措置のいずれかが行われていること。
(1) 起業家の教育・育成に係る措置(各種教育セミナーの開設、企業との交流会やシンポジウムの開催等)
(2) 事業計画の策定支援
(3) 資金調達又は物件調達に係る支援措置(助成金、ベンチャーキャピタルの紹介、インキュベーション施設への入居支援等)
在留管理に係る要件
(1) 大学は、毎月の起業活動状況を確認すること。
(2) 6月以内に起業することが出来なかった場合に備え、起業活動外国人において、帰国のための手段(航空券及び帰国費用)が確保されていること。
こちらは独特です。
注意点
注意点としては、大学のバックをアップを確実に取ったうえで、企業をすることという点があげられます。自分たちだけではなく、サポートをする人が必要であるというのがこの特定活動のポイントとなります。
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