遺言書と遺産分割協議書の書き方 相続手続きの基礎知識
2024/05/31
相続人が亡くなった際、遺産分割を行うためには遺言書や遺産分割協議書の作成が必要です。しかし、普通に生活しているとこれらを書くことは人生で初めてである場合が多いはずです。もちろん、書籍やネット上にはヒントも転がっていますので、ご自身でそれを読みながらという方も少なくないはずです。そこで、今回は行政書士奥本聡が遺言書と遺産分割協議書の書き方について、相続手続きの基礎知識を解説します。適切な書き方を知って、円滑な相続手続きを進めましょう。
目次
相続手続きの基礎知識
相続手続きは、わかりやすく言うと、故人の財産を相続するために行われる手続きのことです。相続には法定相続人と遺言による相続人がいます。法定相続者には、配偶者、子、父母、兄弟姉妹、祖父母・子孫がいます。遺言による相続者は、故人が遺言で指定した人となります。
相続手続きには、相続税申告、相続人間での遺産の分割などがあり、手続きの順序や必要な書類、期限などについて正確な知識が必要です。また、相続税についても、相続人の数や財産価値に応じて税率が変わるため、専門家のアドバイスを受けた方がよいとされています。相続手続きは、手続きの順序を守り正確に行うことが重要です。
遺言書の書き方
遺言書は、自分の意思を明確に伝えるためにとても重要な書類です。
遺言書で大切なことは2つあります。
1つ目は、形式です。自筆証書遺言にするのか、公正証書遺言にするのかにもよるのですが、自筆証書遺言にする場合は、形式が法的に有効でなくなるリスクが高いのです。現在は、法務局で自筆証書遺言の保管サービスを行ってくれており、形式的な面もそこでサポートしてくれます。財産目録は手書きでなくても大丈夫ですが、遺言書自体は本人が書かなくてはならないので、注意してください。公正証書遺言の場合は、形式的なところは心配する必要はほとんどありません。
2つ目は、どのような内容にするかという中身の問題です。遺言書には、死後の希望、遺産分割、埋葬方法など、自分が望むことを自由に書くことができます。では、書いたことが全て実現するかというと、それも違います。相続人全員が同意することで、遺言書の内容とは異なる分割もできてしまうのです。
なんじゃそりゃ!?
と思った方もいらっしゃると思います。一番わかりやすい例で言えば、相続する人には遺留分というものがあります。それを侵害するような内容の遺言だとその部分が取り消されるということはままあるのです。また、負担付で〇〇を相続して欲しいという場合は、その負担が相続人にとって重すぎるということもあります。そのような場合は、遺言が実現しないかもしれません。
ご自身だけで、思いつめずに周りの人や専門家に相談しながら客観性も持って内容を考えられるとよいでしょう。
遺産分割協議書の書き方
遺産分割協議書とは、相続人たちが相続財産を分割するために作成する書類です。具体的には、相続財産の分割方法、財産の引き渡し時期や方法、相続放棄者がいる場合の扱いなどが定められます。
遺産分割協議書を作成することで、トラブルを防ぎ、スムーズな相続手続きを進めることができます。遺産分割協議書があることで、金融機関や法務局(土地・建物)、農業委員会(農地)や運輸局(車やバイク)などでもスムーズに手続きを進めることが出来ます。
遺産分割協議書の書き方には、専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。相続税の対象となる財産や相続人の状況などによって、最適な分割方法が変わるからです。また、土地や不動産を相続する場合は、司法書士などの専門家に相談することが必要です。
もちろん、行政書士も遺産分割協議書作成の専門家です。許認可が絡む場合であったり、車の相続、農業委員会への届出をする場合等は行政書士の職務範囲となります。
遺産分割協議書は、相続手続きに不可欠な書類の一つですので、正確に作成することが大切です。
遺言執行者の選任
個人が亡くなった場合、その遺言の執行者を選任する必要があります。遺言執行者は、遺産分割の手続きを代行し、財産の管理や債務の処理を行います。遺言執行者には、力量や信頼性が求められます。一般的には、家族や友人が遺言執行者を務めることが多いですが、遺言執行者として必要なスキルや知識がない場合もあるため、専門家の紹介や信託会社を利用することが選択肢としてあります。また、遺言作成時には、明確な遺言書を作成することが大切です。遺言書には、遺産分割や遺言執行者の指定、委任状の付与などが含まれます。遺言に不備がある場合、遺民に混乱や紛争が生じる場合がありますので、遺言の作成には心を配る必要があります。
遺言執行者の報酬は遺言作成時に決定することが多いです。
様々な相続手続きを代行してきた身としていえるのは、遺言執行者は、銀行等の金融機関や、素人ではなく士業者にお願いするのが良いでしょう。
士業者には、専門性があり、手続きに慣れていたり、実績があり信用できわりに費用が安いためです。金融機関などは大きな組織ではあるのですが、費用が非常にかかってしまいます。一般の方は、手続きになれないことやミス等の心配があります。(中には非弁業者ではないかというようなかたもいます)
遺言の作成は行政書士奥本聡事務所へご相談くださいませ!