行政書士奥本聡事務所

特定行政書士の仕事の実例を読んで

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特定行政書士の仕事の実例を読んで

特定行政書士の仕事の実例を読んで

2024/03/04

特定行政書士という資格をご存じでしょうか?

「特定」とつくと何か限定されてしまうイメージがありますが、これは行政書士の中でも「特定の業務」が許可された行政書士ということです。

行政書士登録している者の中で、行政書士会が指定する研修を受けて、研修の試験に合格することで得られる資格です。

それでは、その資格を取得することで、どんな業務が出来るようになるのでしょうか?

特定行政書士になると「行政書士が作成した書類に関する不服申立ての代理人」が出来るようになります。不服申立てとは、許認可申請などをした場合に行政庁が下した処分に不満があった場合になされるものです。また、申請したのに行政庁が一向に処分を下さない場合も不服申立てを行うことが出来ます。

 

最近、ネット上で特定行政書士の話題をみることがありました。特定行政書士は役に立たない……そのように言われることが多いです。新しくできた制度なので、意識が高くこれから職域を拡大したいという行政書士が取得していたことが予想されるのですが、おそらく「役に立たない」という言葉もそのような人たちから漏れてきている言葉でしょう。

確かに、特定行政書士業務で儲けようと思ったり、商売をしようと思ってもそれはなかなか難しいかもしれません。周知性の問題もありますし、そもそも不服申立てをしようという絶対的な件数が少ないと考えられるからです。

そんな中、特定行政書士ガイドライン第3版に面白いケースが書かれていました。
 

このガイドラインには、実際に特定行政書士が不服申立ての代理人を行ったケースを記載しておりどのケースも非常に興味深いものでしたが、特におもしろかったのは聴聞の手続きを経てなされた処分に対する不服申立てです。
 

聴聞とは、不利益処分を科す前に行われる。当事者への聞き取り、意見陳述の機会を与える場所です。行政書士は、聴聞や弁明の機会付与手続きにおいて、代理人として官公署へ提出する書類を作成することが出来ます。

行政書士が聴聞へ提出する意見書を作成した場合、その後不利益処分を受け、その処分に当該不利益処分者が不服であった場合、特定行政書士が代理人として審査請求が出来るという事例です。

ぱっと読むと少し複雑なのケースです。今回は交通事故に関する免許取り消し処分についてのケースでした。

交通事故→免許取り消しのための聴聞→行政書士による「保佐人意見書」「陳述書」の作成→不利益処分→審査請求→特定行政書士が審査請求を代理
 

という流れです。

言葉にすると行程が多いため、わかりずらいですが、構図自体は、運転免許取り消しで困っている人をサポートするというとても分かりやすいものではないかと思います。
 

そして、わかりやすいため特定行政書士のアピールにもなりうるケースではないかと考えられます。

ちなみに、審査請求をしたということをよく聞くケースに、情報開示請求であったり、生活保護に関する処分であったりが挙げられます。

それらとは異なり、多くの人が身近に感じられる運転免許取り消し処分について、聴聞から不服申立てまでのサポートというのは個人的には感心しました。(もちろん、情報開示請求も生活保護申請も重大ですが、それらの申請やそのサポートを行う人たちはすでに制度を詳しく知っているイメージがあります)

特定行政書士の仕事が増えたらではなく、特定行政書士が活躍して、生活する皆様の権利を守ることが出来たらうれしいと考えてしまいます。

「特定行政書士ガイドライン 第3版」に掲載されていたそれぞれのケースはどの先生も書面をしっかり作成しているイメージです。専門家であるということが確認できるレベルを持っているように感じました。特定行政書士である自分もそのレベルで法的な理論構成をしなくてはならないなと感じさせられます。

特定行政書士になると、要件事実論を学びます。要件事実論の訓練は大切だなと改めて感じました。

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